2018年02月28日
『平成29年度 沖縄県精神科病院協会 災害時支援中心病院研修会』について
平成30年2月10日(土)、平安病院にて『平成29年度 沖縄県精神科病院協会 災害時支援中心病院研修会』が開催されました。
その目的は「大規模災害時において連携する会員病院の被災状況の情報収集を行い、被災病院の状況に応じて必要な支援物資と人材を派出する為の調整を行い、一時的避難場所、物資集積所としての機能や患者搬送の手配等関係団体と調整などの機能訓練を実施し、災害医療体制の連携強化を図ること」等となっています。
“災害時支援中心病院”とは、平時の支援体制維持と対応訓練などを行って、有事に備え、災害発生時には日本精神科病院協会災害対策本部と密接に連携して、災害地域の会員病院の情報収集および被災救援や被災物資の供給などを中心的に支援するもので、詳しい内容は下図の通りとなっております。
災害時支援中心病院が担う災害時支援の主な内容
- 近隣の災害発生時には、速やかに被災地の会員病院の被災状況や被災地におけるインフラ(水道・電気・交通などの供給状況)の情報を可能な限り入手し、本部に情報提供する。
- 必要な支援のニーズをとりまとめ、本部および被災していない近県の災害時支援中核病院に情報提供し、可能な支援を受ける。
- 被災病院に向けての救援物資の一時集積所としての役割と被災会員病院への配送の手配を行い、被災程度の軽い近隣会員病院と協力して被災病院への救援物資供給を行う。
- DPATの調整本部との情報交流を緊密に行い連携すると共に、必要であれば活動拠点としての機能を果たす。
- 平時より、災害時の支援活動についての模擬訓練を行い、体制の整備状況を点検するなど、災害発生時に備える。
災害支援中心病院の具備条件
- 津波・洪水・土砂災害・原発近隣などの被害予想地区ではない立地であること。
- 病院建物が耐震基準を満たすものであること。
- 支援物資を一時集積できる空間(準備できる比較的大きな部屋や体育館など)を有する事。
- 既に登録済みのDPATあるいは今後に養成するDPATを1チーム擁すること。(先遣隊である必要はありません)
現在、災害時支援中心病院は全国で88病院が登録されておりますが、沖縄県精神科病院協会(沖精協)では、5病院(①平和病院・②新垣病院・③オリブ山病院・④天久台病院・⑤平安病院)が災害時支援中心病院として選出されています(2018年1月現在)。
今回の研修会では、沖縄県災害時支援中心病院5病院に博愛病院を加えた6病院が研修会に参加され、その他にも見学者として9施設が加わり、総勢80名程の方々にご参加頂きました。
研修会は「Ⅰ災害医療の基本」、「Ⅱ災害時支援中心病院と病院間連携」、「Ⅲ大規模災害演習」の三部構成で行われ、
午前中は講義(9講義)と演習(2演習)を織り交ぜて行い、午後からは災対本部の立上げや患者受け入れ、搬送等を想定した大演習を行いました。
各病院が持ち寄った院内マップやエマルゴ人形など使って、課題となる患者30名の受入れや搬送等を考えるなど、
全員が額に汗をかきながら真剣に取り組んでいる様子が印象的でした。
災害時支援中心病院としての研修会は、今回初めての開催となりましたが、参加者は講義を聴いたり演習を実際に体験することで、より災害に対する平時からの備えの大切さを痛感したのではないでしょうか。
平安病院としても、今後も災害時支援中心病院としての役割を担う為にも継続的な研修会に参加するなど研鑽に努め、よりレベルアップを図れるよう取り組んで参りますので、関係者の皆様のご理解とご協力をお願い致します。
以上