「サスペンス映画」どうしよう?!

「サスペンス映画」どうしよう?!

みなさん、明けましておめでとうございます。
もうすでに2週間以上も経ってますので今更ですが、まずはご挨拶。
今年もいよいよ発動し、みなさまにとってすばらしい年でありますことを祈念いたします。

さて今回「アラカルト」では、昨年に引き続き映画の魅力・楽しさをご紹介していこうかなと考えております。

しかし・・
今回予定通りサスペンス映画のご紹介をさせていただくつもりでしたが、よくよく考えるとこのジャンルはちょっと微妙でして・・・

精神科病院のブログという枠内でご紹介してよいものか悩んでしまいました。
なぜかと申しますと、サスペンスとは;suspense= ハラハラ、ドキドキ、不安と緊張をもたらす映画作品のことでして、私の好みの作品が特に刺激が強い作品なんですね。敢えて不安と緊張を強いる作品をこの場で紹介するのもいかがなものかと後で思いなおした次第です。もちろん不安や緊張をワクワクしながら楽しむことも悪いことはではありませんし、個人的には好きなジャンルです。しかしながらちょっと残念ですけど、この場で作品の詳細をご紹介するのは控えさせていただきたいと思います。
ご了承いただければと思います。

そのかわりといっては何ですが、趣旨を変えて敢えて「不安」に関連したお話を少しさせていただきたいと思います(ムチャぶりですね。)

「不安」=anxietyとは、心配や時には恐怖に至る人の持つ感情の一つ

と簡単に定義できますが、誰しも抱くものであることも異論はないと思います。

なぜ人は不安という感情を抱くのか?

それについては哲学から生物学・医学的分野まで様々な諸説・概説がありますが、一つ上げるとすれば、未知の事柄に対する防衛反応であり、人は不安という感情があるからこそ目前の「もの」や将来起こる「こと」を想像・予測し、行動を選択しそして進化してきたのだという学説もあります。

一方このように建設的に作用すればよいのですが、不安は時として予想外に膨らみ私たちを悩ませ、時には「病的」と呼ばれるような状態にまで至ることがあります。それが精神医学でいう「不安障害」「神経症」という病態です。「病的」ということは簡単に言えば自分自身で「不安」のコントロールが困難となり様々な社会的問題を抱えてしまう状態です。
そのため、いろいろな対処行動をとりつつもどうしようもない場合に医療にかかることもあるかと思います。
ただ、一口に不安障害と言っても程度があり、軽度から重度まで様々です。人によって問題は異なり経過がありそして状態があります。ですのですべての人に有効というわけでもないですが、もしかするとうまく「不安」を受け止められるかもしれない対処法を一つご紹介したいと思います。

aracalt

人は「不安」で押しつぶされそうな時の心の状態とはどのようなものでしょうか?

おそらくは不安の主な要因に囚われ、他に考えが及ばず悪い考えで頭の中がいっぱいになっている、あるいは考えと感情が止まらない状態ではないでしょうか。つまり持続的な悪い思考の流れとそれに連動する感情の噴出に苛まされていると言えましょう。

それが強い流れ=重度になっている場合はやはり医療やお薬などの助けを「一時的に借りる」つまり「治療を受ける」ことが早くよくなる方法の一つかもしれません。
しかし、その前段階くらいでしたらどうでしょうか?何かできることがあるのでしょうか?

あります。まずは

「不安」があることを認めること

不安という感情を自ら認識することです。「あ、自分今不安なんだ」まずはこの作業から入ります。

次に

「思考の流れ」を自覚すること

「思う考え」があることを自覚します。なるべく客観的に自覚します。内容の良し悪しについては考えません。ただ、静かに感じます。

最後に

それを「置きます」

なるべく抵抗せず、消し去ろうとせずに今、こう考え、このような感情が沸いているのだと感じることです。
そうすると不思議なことにある種の安堵と不安の軽減が得られることがあります。これは仏教の一派である「禅宗の心」にも紹介される心の在り方です。私は宗教家でもなければここでみなさんにある宗派をお勧めしているわけでもありませんが、この「あるがままを見つめる」はある程度の不安の対処には良い方法と思います。
実はこれは精神療法の一つとして知られている「森田療法」の一部ですのでご興味のある方は調べてみてください。

その他にもいろいろ手はあるかと思います。みなさんそれぞれが自分の方法で対処されるのが一番良い方法かもしれません。
魔法のように気持ちがよくなれば何でもよいと個人的には考えてます。
少し長く、固いお話になりました。次はまた映画の話題でお話させていただきますね。ありがとうございました。