側にいること

側にいること

今回も卵の看護を楽しみに待っていた患者さんのことを書きたいと思います。
今回の患者さんは自分自身にとっても大きな影響を与えてくれて、成長させてもらった患者さんです。

その女性の方は卵の看護をいつも期待しながら待っている患者さんの一人でした。
その方は昔、看護学校へ通っていたという事もあり、「いつから来るの?早く来たらいいのにな。(卵たちと)話をすると元気になるんだよ、また、看護学校に通いたいな」などといつも話をしていました。

そんな中、彼女は体の病気が見つかり調子を崩していきました。
進行性の病気であった為、徐々に衰えていく体力、気力の中でも卵たちの事を気遣い、「(卵たちが)来たら紹介してよ。できたら受け持ちもしてほしいな。こんな自分でも受け持ちしてくれるかな?体のこともあるから無理かな?でもいっぱい話がしたいな」と希望を口にしていました。
しかし、最後の望みは叶わず、彼女は旅立っていきました。

最後の最後まであきらめずに、精いっぱい自分らしく過ごすことができました。
その彼女の言葉の中に「側にいて、ゆっくり話を聞くだけで、人は安心して、
穏やかになるって事がわかったよ。卵たちから学んだことだよ」と話していました。

卵の看護が大きな成果をもたらした出来事でした。